【ニューヨーク１日（日本時間２日）発】ヤンキースの田中将大投手（２５）が、チームの象徴デレク・ジーター内野手（３９）に
スーパースター軍団の一員として認められた。前日、８勝目（１敗）をマークした右腕はこの日のツインズ戦後に
ニューヨーク市内で行われた主将主催のチャリティーパーティーに招待されたのだ。若きエースの存在感はグラウンド外でも増している。

　田中は３１日（同１日）にヤンキー・スタジアムで行われたツインズ戦で８回を投げ、４安打９奪三振２四球１失点（自責点０）で
今季８勝目（１敗）をマークした。初回、先頭のドジャーの打球を三塁・ジョンソンがファンブル。暴投もからみ、走者は三塁へ。
二死後、４番・ウィリンハムのバットを折ったものの、打球は右前にポトリ。先制点を許した。

　圧巻は３回。右翼・ソリアーノが平凡なフライをポロリ。続く打者の一ゴロは一塁ベースカバーに入った田中に送られ
一度は「アウト」の判定がなされた。ところが、ツ軍側のチャレンジにより判定が覆り無死一、二塁。さらに自身の暴投で
無死二、三塁とピンチを広げた。ここで田中はギアを上げた。首位打者３回の３番・マウアーをスプリットで空振り三振。
続くウィリンハムも詰まらせて、シフトで遊撃のポジションに守っていた二塁・ソラルテへの小フライに抑えた。

　高ぶった感情がピークに達したのはカウント０―１から左のアルシアへ投じた２球目。外角へのスプリットが抜けて高めに浮いた。
これは相手が打ち損じてファウルになったが、田中は中堅方向に振り向くと、雄たけびを上げた。メジャーでご法度とされる
歓喜の雄たけびは「郷に従います」として“封印”してきたが、自身へ活を入れる意味での叫びは止まらなかった。
３球目はマキャンのサインに首を振り、外角いっぱいの１５３キロの速球。見逃し三振に仕留めた。
４回以降はツインズ打線に二塁を踏ませなかった。

　この快投で今季メジャーで唯一続けている連続クオリティースタート（６回を自責点３以内）は１１戦に伸び、
デビューからの記録でメジャー史上２位となった。

　圧倒的なゲームメーク能力を発揮し、ア・リーグ防御率１位、勝利数２位タイを誇る右腕は
この日の試合前、ヤンキー・スタジアムで軽めの練習。ベース間程度の距離でのキャッチボールを行い、
その後はトレーニングルームでエアロバイクをこぐなどして汗を流した。

　そんなヤ軍の若きエースが名誉ある“お呼ばれ”を受けた。１日（同２日）のツインズ戦の試合後に
ニューヨーク市内のホテルで行われたジーター主催のチャリティーパーティーに招待されたのだ。

　田中が出席したのは主将が自ら設立した慈善団体「ｔｕｒｎ２　ｆｏｕｎｄａｔｉｏｎ」によるディナーパーティー。
ヤ軍の主力選手なども招待される５００人規模のもので、松井秀喜氏（３９）もヤ軍在籍時には必ず出席している。

　入団以来、代理人が同じケーシー・クロース氏ということもあり、ジーターから何かと気にかけてもらっている田中。
メジャーデビューから実力を発揮し、ネームバリューも上昇したことでお声がかかった。田中も“ただの新人”ではなく、
ジーターに認められる選手になったというわけだ。

　また、この日の練習後には本紙で予想していた日本ダービーの結果について語った。本命のワンアンドオンリー、
対抗イスラボニータと１、２着を見事的中。馬単は“今季初勝利”となったが、なぜか浮かない顔だ。
「３着のマイネルフロストは買ってないですから」。本命と対抗を軸にした３連単軸２頭マルチの４８点買いで
当てられなかったことに悔やしそうな様子だった。

　メジャーデビューからここまで満足した試合はないという田中。それにしても、マウンド上に競馬予想と、
この男はどこまで完璧主義者なのか…。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140602-00000023-tospoweb-base