鬼の福良監督より、もっと怖い人がいた。オリックス宮内義彦オーナー（８１）が１２日、仰天の指令を下した。宮崎・清武での春季キャンプを視察し、グラウンドで訓示を行うはずが、５分間の「公開説教」だ。

　「試合とは勝つためにするもの！」「勝利にかける思いを重く持て！」「勝利への貢献を考えよう！」

　多忙なスケジュールの中で時間をつくり、チームが低迷するときも温かく、ときにはユーモラスな言葉で鼓舞してきたオーナーだが、この日は選手、首脳陣、フロントに「訓示やなくて説教ですわ」。さらにオーナーが明かしたのは、衝撃の指令だった。

　「キャンプは順調だと聞きました。昨年日本一の日本ハムが順調ならもう１回優勝できるけど、最下位のうちが順調ではまた今年も最下位になる。順調ではいかんのです。クレイジーなキャンプをやらないかん。目の色を変えるくらいのね」

　前日１１日に宮崎入りし、到着直後に宮崎市内の１軍宿舎でバーベキューパーティーを開いた。楽しい夕べにしたいのはやまやま。それでも昨年の１、２軍最下位、さらにオープン戦も交流戦も最下位に終わった翌春だからこそ、厳しい言葉を伝えずにはいられなかった。食事を始める前に「勝利への執念を持とう」と呼びかけ、さらに福良監督、金子、平野、Ｔ－岡田らと囲んだテーブルでも思いを伝えた。

　今キャンプは福良監督が自己管理の不徹底や準備不足の若手を２軍に落とすなど厳しい姿勢で臨んでいる。だが、オーナーはより強烈な言葉で奮起を促した。「勝て、勝て、とにかく勝てと言われました」と鬼を貫く福良監督も、重く受け止めていた。【堀まどか】

＜宮内オーナー過去の過激発言＞

　◆年俸分働け（１６年２月１３日、宮崎キャンプ視察）　大型補強した前年は優勝候補に挙げられながら５位。「不調だった人が復調して普通にやってくれたらいい。年俸の高い人から順に。価値を表してもらってね」。

　◆むなしい（１５年２月１４日、初の宮崎キャンプで訓示した後）　「昨年までは“優勝”と言ってきたけど、それもむなしいので」と優勝指令を封印したことを明かした。

　◆みんなひどい（１２年４月２８日、西武に４－８で敗れ）　「調子が出ないのか、弱いのか。今日のゲームはひどいね。勝つ気がなかったんちゃう。（先発）西もひどいし、ベンチもひどい。ああいうゲーム運びをしたらいかんわ。守備もひどいわ」。

日刊スポーツ 2/13(月) 8:01配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170213-01778208-nksports-base